犬種標準にはALの理想像が示されており、サイズや毛質、毛色も、これによって定められています。 犬種標準の各項目は、ALのブリーディングにおいて目指すべき目標であり、配慮すべき基準となります。
概要
程よい骨格を備えたコンパクトな体を持ち、敏捷で優雅でなければいけません。無骨であったり、鈍重であったり、繊細過ぎてはいけません。この犬種の典型的な特徴は、抜け毛がなく、手入れしやすい被毛です。
気質
自由にしている時には、非常に賢く、社交的で、コミカルで、楽しそうで、元気ですが、人に扱われている時には穏やかで静かです。楽しげにフレンドリーに人に近づき、訓練しやすく熱心でなければいけません。家族や接している人の感情の状態やニーズについて洞察力を示さなければいけません。この“知る”能力は、特別な配慮を必要とする人に対してオーストラリアン・ラブラドゥードルを素晴らしい犬にしています。
身長
胴体:体高と体長(胸骨から臀部)は四角くコンパクトです。奥行きのある胸はバネが強く、丸めやすい身体です。腰は強く筋肉質です。
頭部
頭部全体は体の大きさに比例し、くっきりとした眉で緩やかに広がっており、張り出すことなく適度に成長します。ストップ(鼻口部と頭上部間のくぼみ)は適度で両目はよく離れており、前面(目より下の部分)は頭部より短く見えます。頭部は輪郭がはっきりとし、頬に肉が付いてはいけません。
目
大きくて表情豊かで、わずかに丸くなっています。
耳
目の高さの僅かに上に位置し、頭部に対して平らに横たわっており、耳の垂れた部分は中くらいの厚みで、唇のラインより下がっていてはいけません。また、過度の耳管内の毛は望ましくありません。
口
シザーバイト(上歯が下歯に丁度被さっている状態)でなければいけません。
鼻
大きくて肉付きがよく、角張っていなければいけません。
歯
シザーバイト(上歯が下歯に丁度被さっている状態)であること。下顎や上顎が突き出ているものや、歯牙叢生(歯が重なり合ってでこぼこになっている状態)は欠点となります。
前四分体
肩甲骨と上腕は同じ長さになっており、肩は十分後ろに向いていなければいけません。また、肘は体の近くに位置しており、前脚は正面から見たときには真直ぐになっていなければいけません。尚、内股や外股で立つことは欠点となります。
後四分体
側面から見て、臀部はほぼ平らでなければいけませんが、わずかな傾きは許容されます。後膝は、前方に向かって緩やかに曲がり、飛節から踵は地面に対して垂直でなければいけません。後四分体は動作に対して力を発揮するために筋肉が発達していますが、後ろから見て互いに平行になっていなければならず、牛の踵のように内側に曲がっていてはいけません。
脚
程良い大きさで湾曲しており、弾力のある分厚い肉球、丸まったつま先です。尚、足は内股にも外股にも曲がっていてはいけません。
尾
休息中も楽しげに動いている時も、背中の上で完全に曲がっていてはいけません。先端の毛は背中に触ったとしても尻尾自体がカールしていてはいけません。
動作
駆け足の際の前方へ届く距離や後からの駆動に優れており、成犬は無理のない滑らかで力強く美しい動作をすることができます。また、音を立てない動きと軽い足取りは不可欠な要素です。
その他
歩行障害の兆候は欠点となります。雄は陰嚢の中に正常な睾丸が2つあり、雌は正常な形状の外陰部がなければいけません。
健全な種の発展のため、以下のような特質を示す場合は基準を満たさないこととされます。
2004年半ば、オーストラリアン・ラブラドゥードル協会(ALA)は、オーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)が単なるラブラドール・レトリーバーとプードルの掛け合わせではなく、特定の目的を目指し、長年をかけて独自性を確立させてきた犬種であることを示しました。
それらの目的を達成するため、すでに隆盛を誇っていたラブラドールとプードルの交雑血統に先祖犬を投入することによって、更なる改良が行われました。ALの開発者は、その犬種に敬意を示し、品質と愛らしさを高めるための最良の方法を模索していたのです。
1997年に、それらの目的が反映された最初のALの犬種標準が作成されました(最新の犬種標準はこちら)。
そして2004年10月のALA年次総会では、ALの更なる開発で使用されてきた6種の先祖犬が公式に認定されました。
確認・認定されたALの先祖犬は以下の通りです。
アイリッシュ・ウォーター・スパニエルは、プードルやラブラドール以外で最初にALの開発に使用されました。この使用の主な目的は、今日見られるアレルギーフレンドリー、喘息フレンドリーな毛質を保ちつつALのリッチなチョコレート色を生み出すことでした。
カーリー・コーテッド・レトリーバーは“レトリーバー”のいくつかの優れた性質をALにもたらした一方で、マズルや顔の毛が短くなるという望ましくない性質ももたらしました。ALにおいて、この特徴は“オープン・フェイス”として知られています。また、ネガティブなよそよそしさは注意すべき点であり、この特徴を除くための改良が必要です。
ミニチュア・プードルは、ミニチュアサイズ(35~42cm)のALの改良に使用されました。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルおよびアメリカン・コッカー・スパニエルは、最後に認定されたALの先祖犬です。コッカーは、ミニチュア・プードルによる単なるサイズ管理によって失われてしまった骨太でがっしりした性質をミニチュアサイズに取り戻しました。現在ブリーディングの際に避けるべき望ましくない性質は、ドーム型の頭、長い耳、抜け毛です。
ALの品種改良に使用され、現在までに認定された先祖犬はこれら6犬種のみです。ALAは、上記の先祖犬以外のどの犬種も認定していません。
オーストラリアン・ラブラドゥードル協会による2009年改訂版のグレーディングスキームは以下よりご覧ください。
グレーディングスキーム (pdf)